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赤羽根イナリ古墳の公園化


赤羽根イナリ古墳の公園化

市教育委員会は、落合町阿部の赤羽根古墳群で、発掘調査した赤羽根イナリ古墳を古墳公園として整備することにしました。同古墳は、昨年5月に箱式石棺が発見され、市教育委員会が地元の「落合町文化財を守る会」の協力を得て発掘調査を行いました。
石棺は、全部で5基が確認され、うち2棺からは、床に河原石を敷きつめ、石枕をして寝かされた人骨が出土、全体に赤色顔料が施されていたことが確認されました。また、これまでの赤羽根古墳群の調査では、墳丘が確認されたものはなく、今回の調査では、周囲に円く並べられた「ふき石」と呼ばれる列石が出土したことから、直径 14 mほどの円墳であることが分かりました。このことから、今回発見された5基の石棺は、全て一つの墳丘上に築かれていることが確認されましたが、県内でも一つの墳丘上に5棺もの埋葬部をもつ古墳は珍しく、注目を集めています。

一連の遺構は、これまでに確認されている8基の石棺とともに5世紀初め頃のものと考えられています。市教育委員会は、この貴重な遺構の保存を最優先に公園を整備し、墳丘周辺部は、昔のままふき石を張り、墳丘中央部は、すり鉢状にして、石棺が元の位置で来場者に見えるようにします。また、一部石棺は保存措置を施した上でふたを開けた状態で置きます。公園は、395g。古墳のそばには解説版を設置し、周辺には芝を張りベンチを置くことにしています。完成は、来年3月。同文化財を守る会が管理し、市内では、貴重な古墳公園として利用いただくことにしています。なお、この公園予定地は所有者の奥田求さん(落合町)により寄贈されました。

広報高梁平成15年12月号より