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団藤重光



[高梁ゆかりの人物] [高梁偉人伝]

団藤重光

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

団藤 重光(だんどう しげみつ、1913年11月8日 - )

は刑法学者。正しくは「團藤重光」 。東京大学名誉教授、元最高裁判所判事。日本学士院会員。戦後の日本刑事法学の第一人者。

若年にして戦後の新憲法制定にともなう法制改革の際に各種の立法に関与。現行の刑事訴訟法に大きな影響を与えた。結果無価値刑法を提唱する平野龍一が現れた後は、行為無価値刑法学の旗手と称され、この二氏の理論が現在もなお大きな影響を与えている。

東京大学の教官としては、松尾浩也や井上正仁らの指導に当たった。

東京大学退官後、最高裁判所判事に就任。大阪空港公害訴訟などの事件で重要な意見を残す。また強制採尿令状は彼の考えによるものと言われている。実務における各種の葛藤からか、この間に学説に多少の変化が見られる。また、この時期に「人殺し」と罵られたことから「死刑廃止の正しさ」を確信したという。

学者時代は共謀共同正犯否定説の旗手として活動していたが,もともと緻密な理論構成を欠いた否定説であったため,最高裁判事就任後は実務との摩擦に屈し肯定説に転じた。また,退官後には,自らが書いた判決と論旨の全く食い違う講演を行ったこともあるという。そのため,これら一貫しない態度を「寝業師」と評されることがある。

最高裁判所判事を退官した後は、死刑廃止運動や少年法改正運動関連の活動等,人権保障のための活動に重点を置いている。

略歴

1913年 岡山県高梁市にて出生
1935年 東京大学法学部卒業、同助手
1937年 東京大学法学部助教授
1947年 同教授
1974年 慶応義塾大学教授、最高裁判所判事
1983年 同退官

主著

『刑法綱要総論』初版1957年、3版1990年
『刑法綱要各論』初版1964年、3版1990年
『刑事訴訟法綱要』1943年
『新刑事訴訟法綱要』初版1948年、7訂版1967年
『訴訟状態と訴訟行為』1949年
『刑法と刑事訴訟法との交錯』1950年
『刑法の近代的展開』1948年
『条解刑事訴訟法(上)』1950年、氏の多忙により下巻は刊行されず。
『刑法紀行』1967年
『法学の基礎』2001年
『実践の法理と法理の実践』1986年
『この一筋につながる』1986年
『わが心の旅路』1986年
『死刑廃止論』初版1991年、6版2000年

門下生

井上正仁

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