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猿田彦の舞


猿田彦の舞
【さるたひこのまい】

神楽を代表する猿田彦(さるだひこ)は、子どもでも知っている。 鼻高く、赤ら顔、白髪、眼はらんらんと輝き、あたりを圧するばかりの神である。 だから、だれでも、猿田彦の出てくるのを待ちのぞんでいる。 七座の神事の締めくくりをする舞であって、いわゆる「神まつり」は、ここまでである。 軽快なリズムに乗り、太鼓の早いテンポに合わせて、千道(ちみち)という紙の綱飾りをずたずたに切り払う姿は、実にさわやかで、胸のすく思いがする。 最近では、「道引き」つまり道案内のこの神が、交通安全の神に成り下がってしまったのは、いかにも情けない。 「一得二危、三妖四殺、五鬼六害、七曜八難、九曜の星まで、年月日時、災禍消除と舞いや納めん。」 これは、猿田彦と太鼓の掛け合いで行われる。太鼓打ちの側から言えば、この終わりの部分が一番充実したときである。