片山邸 【かたやまてい】 成羽町教委が、所有者から寄贈を受けていたベンガラ豪商の片山邸=同町吹屋、町重要文化財=の改修を進めている。資料展示コーナーも設け、来年4月にはベンガラを中心とした歴史紹介の場として一般公開する。吹屋ふるさと村の魅力アップになりそう。片山邸は、吹屋の国選定重要伝統的建造物群保存地区にあり、敷地1296平方メートルに母屋や離れなど12棟が並ぶ。改修の中心は18世紀末に建てられた母屋で、木造2階一部3階延べ約390平方メートル。傾きのあった床を地上げし、基礎や支柱の骨組みを修正。畳45畳や電気配線は一新し、建具の一部も改修している。母屋には、かまどのある台所、座敷、隠し部屋など18室あり、工事で昔の姿がよみがえる。 ---- 片山邸 (高梁市指定重要文化財) 片山邸(胡屋)は、宝暦9年(1759)の創業以来、200 年にわたつて吹屋弁柄の製造・販売を手がけた老舖です。赤い石州瓦で葺かれた木造2階(一部3階)建ての主屋には、計22部屋と土間があります。接客の場である奥座敷や夫婦居間・仏間には二連の美しい電灯や見事な欄間が飾られ、優れた意匠をもつ釘隠や襖の引き手なとも見られます。通りに面した外観は、腰高格子を飾る袖壁や繊細な出格子を配し、 2階は海鼠壁で仕上げていて、近代風の装いとなっています。 1日片山邸は吹屋弁柄が栄えた江戸時代末から明治時代の屋敷構えをよく残しており、吹屋の歴史的な町並景観を語る上で欠かすことのできない存在です。 所在地〒719-2341高梁市成羽町吹屋367 開館時間9:00〜17:00(年末休館) 入館料旧片山邸・郷土館(2施設) 大人300円小・中学生100円 (20人以上1割引) 29-2222